2分で習得する【風景写真】のコツ~スマホでキレイに撮る

2分で習得する【風景写真】のコツ~スマホでキレイに撮る

スマホの普及で手軽になった写真や動画の撮影。カメラの性能も良くなり、シャッターを切る回数が以前より増えたのではないでしょうか。しかし、膨大に保存された写真や動画を後で落ち着いて見直すと、見るに堪えないことはよくあることです。

大切な人や思い出の風景をせっかく撮るなら、少しでも美しく、そして恰好良いかたちで、永遠に残したいですね。そうすれば、他人に見せた時でも、感動がより伝えらるはずです。

そこで、このシリーズでは、誰でも簡単に写真や動画のクオリティーを上げることができるノウハウを、分かりやすくご紹介していこうと思います。

今回のテーマは、美しい風景をよりキレイに格好良く撮る。そのために簡単に習得てきるテクニックをご紹介します。

選ぶのは縦画面、それとも横画面?

目の前に広がった美しい風景。ただ、撮った写真を見ると、実際の感動に比べると見劣りしていませんか。

見栄えを少しでも良くするために、写真をグレードアップさせてあげる、つまり写真に趣を持たさせることが結構簡単にできます。

まず、具体的な画作りの話に入る前に、画面を縦にするか横にするかについて考えてみたいと思います。まず、お伝えしたいんは、

風景重視なら、まず横画面を選ぶことです。

スマホは普段、縦にして使うものですから、写真や動画を撮影する場合、そのまま縦で撮影しがちです。自撮りや、3人までの人物を撮る場合はこれでいいかも知れませんが、

風景を撮影する場合はどうでしょうか。

高くそびえたった東京スカイツリー。そして、竹林の小道など、明らかに縦に伸びている風景の場合は、縦のまま撮ったほうがベターでしょう。ただ、もしそういう理由がなく、

風景の撮影を存分に楽しみたい場合は、ぜひ「横画面」での撮影をお勧めします。

なぜなら、風景は(見えなくても)地平線や水平線にいろいろなモノが乗っかって構成されているからです。そのため、要素が横へ横へと広がっていますので、画面も横にし、それらを配置する方がチョイスと可能性が広がるわけです。

風景写真の撮り方、ポイントは3つ

それではいよいよ、本題に入ります。風景写真をより良く見せるポイントは、大きく分けて3つあります。

  • 構図
  • 光と色
  • アングル

この3つのポイントの要点を抑えれば、次に写真を撮るとき、あなたの表現に対する意識が違ってくるはずです。早速始めましょう。

やはり大事なのは「構図」

風景を撮る際、まず気を付けたいのがやはり「構図」です。それを簡単に言うと、

風景の中の要素を、どうフレームの中に配置するかということ。

構図が大切な理由は、風景写真が人物写真と違って、周りにあるいろいろな要素で成り立っているからです。風景を撮るときには、それらの役割を生かしながらどう切り取るか、つまり構図を決めるかにかかっています。

富士山を撮影するときのことを考えてみましょう。

富士山の周りで、青空や雲、他の山々、そして湖が、それぞれ美しく主張しています。しかし、それらを均等に入れてしまったら、調和がとれない写真になってしまいます。そこで、富士山を一番引き立たせたければ、他の要素はそこそこの存在として配置することが必要になってくるわけです。

具体的な構図の作り方

構図を作る方法は大きく分けて2種類あります。

1つは、主役を一つに決めて、その他を脇役として配置する方法です。もう1つは、特定の主役は、決めず全体の流れをうまく捉えて配置する方法です。

まず1つ目、「主役を決める」から説明していきましょう。これは、だれでも簡単にできる方法です。

写真を撮ろうとしたとき、まず目に入つたものは何でしょうか。銅像でしょうか、はたまたある建物、または山でしょうか。それがあなたの写真の「主役」候補になります。

次に周りを見回しましょう。銅像ならば、周りの木々。建物だったら道など、そして山だったら雲や湖。それらが「脇役」です。それらは複数あっても一向に構いません。

次に実際、要素を配置、つまり構図を作っていきましょう。ここで大事なのは、

「主役」を、なるべく真ん中に置かないことです。

真ん中に置いてしまうと、どんなに脇役が多彩でも、写真が単調になることが多いのです。(逆にそれを狙った手法もありますが、別の機会に説明します)

それでは主役は、どこに配置したらいいのでしょうか

主役は「画面を横に三等分した左右どちらかの線上の辺り」に配置してみましょう。そうすることで、画面のバランスが崩れ、変化が生まれます。(下の写真を参照してください)

富士山の中心が左の3分の1のラインに寄っている

少し中央から主役をずらすことで、写真を見る人の心を揺さぶるわけです。ただ、それだけだと主役を置いた側が重すぎて、バランスが悪すきますよね。そこで主役と反対側に、脇役を配置します。ただ、注意したいのは、脇役はあくまで脇役ですので、主役を殺さないような弱い存在でなければなりません。

例えば、主役より後ろに見えたり、または主役ほど存在感がないのっぺりしているようなモノです。

2つ目の方法は、「風景の流れを生かす」構図です。これには、ある要素が前提条件になります。

まず、撮ろうとする風景を部分ではなく、全体で見てください。どこかに一方向に流れるラインが見えてきませんか。例えば、古いお寺の長い屋根、海岸や川のカーブなど。風景の中を走る大きい「線やカーブ」を見つけたら、それを生かしてみましょう。

さて、この流れをどうフレームに取り入れたらいいでしょうか?

縦にまっすく、または横にまっすぐ入れ込むのも手ですが、単調な写真になる場合が多いです。

代わりに試してほしいのは、画面の対角線上にそってその流れを配置する方法です。つまり斜めの流れによって、それは一層強調され、見る人に強い印象を与えます。

右側の山の尾根が、右上から左下に走っている

ただ、注意してほしいのは、こういった写真は、奇をてらった形になりやすく、本来、その風景が持つ雰囲気をぶち壊すケースが多々あります。まず冒険しない無難な一枚撮ったあとで、チャレンジするのがいいでしょう。

アングルを取り入れれば、更に粋な写真に

風景を上から見下ろすか、または下から見上げるかというアングル(角度)の違いも、風景に変化を加えることができます。

例えば広々とした風景を撮りたいときは、できるだけ高い位置から撮影する方が、全体の雄大さを捉えた写真になります。

つまり「俯瞰(ふかん)」です。

まわりに高いところがないか、見てみましょう。街の中ならば、少しでも高いビルに上るのもありですし、低いビルでも2~3階、非常階段を上るだけで撮れる風景が変わることがあります。

俯瞰することによって建物の形が良く分かる

古い寺院や大きい銅像など、その勇ましさや壮観さをより強調したい場合は、それを見上げるように撮るといいでしょう。

これは「煽り(あおり)」と言います。

ただ、あまり極端に煽ると被写体の様相が分からなくなるので注意です。

信玄像の勇ましさを強調

この二つのアングルを狙う場合も場合も、できれば最初の構図の作り方に乗っ取って、単に中央に置くのではなく、三分割の右か左、そして空いたところには、雲や木々を入れると趣を更に出すことができます。

アプリに頼らす光と色を生かす

これまでは形にこだわってきましたが、風景写真の醍醐味は、

その場の空気も一緒に捉えることです。

かと言って、煙や靄などが出ている時以外は、空気など映りませんよね。そこで、利用したいのが光です。アプリストアでは、撮影した後で色合いを加工できるアプリが人気ですが、まず自然の光と色を自分で取り入れてみましょう。そこで注目したいのが、

「日光」と「人工光」です。

日中は太陽の位置、さらに季節によって、光の具合、つまり日差しに違いがあります。それを意識すると、空気を感じる写真が撮れることがあります。

まず、構図を決める前、またはシャッターを切る前に、太陽がどこにあるかを確認しましょう。まず太陽がある場合、必ず影が出ますし、それによってコントラストが際立ちます。つまり、形が冴えわたり、「硬い空気」を感じられるでしょう。

代わりに朝や夕方に近くなるほど、日光が斜めから当たって「逆光」になり易いので、モノの形が光によってぼやけやすくなります。そうすると「柔らかい空気」を感じます

左奥からの光で朝を感じさせる

逆光というのは、被写体の後ろから光が当たることをいいます。この状態で写真を撮ると、輪郭がぼやけ、被写体が陰になり易いので、撮る場合には注意が必要です。

また、夜の場合でしたら、月の光を利用する方法があります。その他、夜の町ならば、街灯やビルの窓の光、イルミネーションなど、使える光は意外と多いのです。

次に「色」です。

自然にも街にもさまざまな色が見られます。色にもそれぞれ強度があり、全体のバランスを左右する大きな要素です。夕日の「紅」は風景全体の空気を神秘的に変えるパワーがありますし、沖縄の海の「青」は空気まで透き通った雰囲気を作ります。

また一般の風景は、様々な色が混在しています。その場合は、各色の割合を考えてフレームに配置することも大切です。

例えば、富士山が見える写真では、主役の富士山を囲む様にして、後景の青空、他の山々の濃い緑、そして湖の濃い青が敷き詰めれ、富士山を盛り立てる役目を担っています。もし、富士山の色がくすんでいたら、周りの景色の色に負けてしまいます。その場合は、富士山を大きく収めたりして色の弱さを補ってバランスを取りましょう。

やはり風景と人物を一緒に撮りたい

ここまで重要なポイントに絞って紹介してきましたが、実際、風景だけ撮る場合より、記念になるように「風景+人物」で撮る場合が多いのではないでしょうか。

その場合は、どうすればいいのでしょうか。

まず、風景のことを考える前に、人物を中央に配置した「普通の写真」を撮っておきましょう。その上で、時間に余裕があれば、周りの美しい風景を撮ることをお勧めします。なぜなら、「風景+人物」は少しハードルが高いからです。とは言っても、

手法は風景のみの方法と同じです。主役はもちろん人物ですから、風景は脇役になります。

海を見下ろす丘に立つ人物の写真を例に考えてみましょう。

ここでは美しい海岸線であっても、人物に対する脇役(準主役)です。まず、人物を三分割の左右どちらかの線上に配置し、反対側の線上に海岸線を置いてください。その時、大切なのは人物と後景のバランスです。

もし、海のイメージが強すぎるようでしたら、人物を強くする必要があります。どうすればいいのでしょうか。その場合は、方法が二つあります。

1つは、カメラが人物に接近する方法。それによって自ずと人物が大きくなり、海の力が弱くなります。(上の写真では海の面積が小さく抑えられています)

もう1つの方法は、「ボケ表現」で撮る方法です。人物を同じ大きさで撮る場合でも、ズームインしてフレーミングすれば、遠景のピントはボケます。そうすれば風景も弱くなります。ただあまりボケ過ぎると、風景が台無しになるので注意が必要です。(上の写真では風景が少しボケています)

★合わせて読みたい・・・2分で習得する【撮影】の方法~人物のサイズを決めよう!

まとめ

風景撮影の基本的な方法をご紹介しましたが、いかがでしたか。

風景の写真を撮るということは、筆を使わないで絵画を描くようなものです。簡単なアプローチとテクニックを使えば、人に見せたくなるような写真がいくらでも撮ることができるでしょう。

たとえ近所の何気ない風景でも、「どうやったらこの風景を面白く撮れるだろうか」と時折考えてみましょう。そうすれば、旅行の際にはきっと「いい風景写真」が、自然に撮れるようになるはずです。

次回は、「立体感を出す撮影方法」についてお伝えします。ご期待ください。■

2分で習得する【写真撮影】の方法~人物のサイズを決めよう!