最新VRゴーグル【Oculus Quest 2】で出来ることは?~購入体験レビュー①
VR(バーチャルリアリティ=仮想現実)元年と言われた2016年から4年。ついに一般人が、「VRをそろそろやってみようかな?」と思う時代に入りました。
10月13日に発売されたOculus Quest 2(オキュラス・クエスト2)。今年のクリスマスのプレゼント有力候補のこの製品のレビューを、マニアではない一般ユーザー目線でご紹介したいと思います。
今回のレビューのポイント、それは「買おうかどうか迷っている」という人が知りたい2つ疑問です。
1.どうしてOculus Quest 2を、買う決断をしたのか。
2.実際に使ってみて、どう思ったか。
初めてVRの世界に踏み出そうとしているあなた。以前にVRを買ってがっかりしたあなた。Oculus Quest 2の購入を決める際の参考になること請け合いです。
慎重な私が、どうしてOculus Quest 2を買う決断をしたのか?
家電やコンピュータを買う場合に、特に慎重になる筆者。最近購入したノートPCを決める際も、さまざまなサイトやYouTubeなどでレビューを見て、比較、検討。機種を特定するために6か月以上かかりました。
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今回、Oculus Quest 2は新発売の製品。プレビューはもちろんのこと、前機種のOculus Quest の情報も含めて検討を重ねることになりました。その上で決め手になった点を簡単にまとめると、以下の4点になります。
1.値段
こういった“キワモノ”を購入する際は、「本当に大丈夫か」「値段相応の満足感が得られるか」という心配、そして最悪の場合「使ものにならない」ケースに終わることが多々あります。特にマニアではない限り、万単位のお金をつぎ込むわけには到底いきません。そこで気になるOculus Quest 2(ストレージ64GB)の値段は、なんと
37,100円(税込)です。
これがどのくらいのレベルなのか。参考までに前機種のOculus Quest や主な類似品の値段を並べてみましした。(スマホをゴーグルにはめ込むタイプは除外)
メーカー | 方式 | 値段 | 評価 | |
Oculus Quest 2 | Oculus | 独立型 | 37,100円 | ◎ |
Oculus Quest | Oculus | 独立型 | 43,000円 | 〇 |
Oculus Rift S | Oculus | PC接続型 | 55,400円 | △ |
HTC VIVE Cosmo Elite | HTC | 独立型 | 73,809円 | × |
PlayStation VR | Sony | PS4接続型 | 37,000円 | ◎ |
Pico G2 4K | Pico | 独立型 | 36,300円 | ◎ |
それぞれ、画質やストレージ(保存容量)に差がありますし、方式も独立型と接続型では自由度などが違うので単純に比較はできません。しかし、Oculus Quest 2 のお得感は間違いないでしょう。
4万円を切る価格なら、万が一「失敗」しても、大きなダメージにはならないと考えたわけです。
2.単独で機能すること
次に気になるのは、方式の違いです。HMD=(ヘッドマウントディスプレイ)つまりゴーグルには大きく分けて3つのタイプあります。(上記の表も参照してください)
- スマホをはめ込んで使うもの
- PCとケーブルでつないで使うもの
- VR本体単独で使うもの(Oculus Quest 2)
<スマホをはめ込んで使うもの>
このタイプのメリットは、格安でVRを楽しめることです。スマホは誰でも持っているので、3,000~4,000円のゴーグルを買えば手軽にVRを楽しめます。
しかし、まずスマホを中にはめ込む必要があるので、始めるまでに手間がかかります。次に問題になるのが画質。スマホ画面が8Kのならばともかく、HDぐらいだとVRにしたときに十分な画質を得られません。
さらにこれらのタイプには基本トラッキング機能がついていないので、映像にユーザーの動きを反映することができません。そのため、他のタイプに比べ臨場感にかけることは否めません。
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<PCとケーブルでつないで使うもの=PC接続型>
このタイプの利点は、システムの本体がPCであることです。高画質の映像や動きの激しいゲームのVRを実現させるためには、高性能のコンピューティング(情報処理)が必要になります。
その点、このタイプでは、PCの性能がそのままVRの質に反映されるわけですから、コンテンツが求める性能をPC側の性能によって実現することができます。
しかし、弱点は2つあります。まず高性能のPCが高額なことです。高級なゲームほど早い映像処理能力が求められ、高額なGPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)の搭載がになります。
第二の弱点は、ゴーグルがケーブルにつながれていることです。ユーザーが動かない場合なら問題ないのですが、アクション系の体を使うソフトの場合、長いケーブルを用意する必要があります。たとえそれを用意したとしても、プレー中にケーブルに足を引っかけて、PCが床に落下、という危険性もあります。
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<VR本体単独で使うもの>
Oculus Quest 2 も属するこのタイプは、上記2つのタイプの弱点を解消してくれます。ディスプレイと必要なコンピュータ部分はゴーグル内に収納されています。他に必要なものはありません。
コンテンツは内臓のストレージから読みだして実行できますし、またWifiを介してネットで読み込むこともできます。
難点を上げれば、ゴーグルが持つ情報処理スピードは限られているので、高級なゲームなどを利用するとき、うまく実行できない場合が出てきます。
しかし、Oculus Quest 2は、USBケーブルを使ってPCと接続することができるので、接続型としても使えます。
3.VRで出来ることは、ゲームだけではない
一般の人が持つVRのイメージは、ゲームではないでしょうか。しかし、VRが広がり始めて4年。その用途は、ゲームだけに限らず確実に広がっています。いくつか代表的な用途を挙げてみましょう。
<本格的な映像の鑑賞>
近年、動画や映画を配信サービスを使って手軽に楽しむことができるようになりました。その一方で、スマホの小さい画面では十分満喫することができないと思うことも多々あります。
かと言って、家のテレビを大画面に買い替えることなかなか難しいところです。そうしたなか、VRで映画などの本格的な映像そのものを鑑賞することは、これから益々「普通」になっていくでしょう。
その理由は、VR側の映像の向上とともに、8Kや4Kなどの高画質の映像コンテンツ側が増えていることがあります。YouTubeでさえVR映像に加え、4Kの高画質映像が多くアップされるようになりました。
<仮想空間でPC作業>
トム・クルーズ主演の映画「マイノリティ・リポート」で、捜査官を演ずる彼が空間に映像やデータを映し出すシーンが登場します。VRでこれを疑似体験できるようになっています。
例えば「バーチャル・デスクトップ」というアプリを使えば、自分が選んだ360°の異空間に、Windowsの画面を複数表示させて作業することができます。空間全体がデスクトップになるわけです。
PCを使った仕事が多い人にとっては、スターバックスなどに行くことなく、周りの環境を自由自在に変えて作業ができるのです。
<次世代のソーシャルネットワーク>
実はマニアの間では、VRを使ったソーシャルネットワーキングがずいぶん広まっているようです。自分の全身アバターを作って、バーチャル空間に飛び出し、世界のユーザーと交流したり、イベントに参加したりしています。
意思疎通の手段は、もちろん文字ではなく、自分が話す言葉、そして手振り身振りです。まだアバターに微妙な表情を伝えることができませんが、基本的な意思疎通は問題ありません。
特に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、人と直接会うことが避けられるようになった今日。仕事を中心にリモート映像による通話や会議を行うことが普通になりました。これからは一歩進んで、VRを使ったバーチャルでのコンベンションやシンポジウムなどが行われることが多くなると予想されます。
<バーチャル観光>
感染拡大により海外に旅行に出かけることも難しくなっています。そうしたなか、VRによる疑似観光を楽しむ機会も増えていくでしょう。
各国の観光業界などが、広報活動のために高画質の映像をネット上に載せるようになっています。また、GoogleMapを使えば、基本、世界中のどこでも好きなところに降り立ち、街の様子を見ることができます。
4.Facebookの子会社という点
Oculus Quest 2 のような規格ベースの電子機器を購入する場合、その汎用性やコンテンツ提供を含むサービスの継続性が、安心して使い続ける場合に重要になります。
たとえ機器としての性能がすぐれていも、それを利用するコンテンツを含む環境が拡大成長しなければ「宝の持ち腐れ」になってしまいます。
古い話ですが、1990年代、民生用のビデオ企画に「ベータ」と「VHS」がありました。ソニーが開発したベータの方が性能が良いとされ、メディアとなるカセットもコンパクトでした。しかし、ベーターがソニーだけだった一方、VHSには多くの企業が参入し、コンテンツ量も圧倒的になったため、ベータは消滅してしまいました。
VRの場合、同じようにソフトやコンテンツの豊富さ、そして業界のシェアが大切です。この点、Oculus が、あの巨大IT企業のFacebookの子会社であるFacebook Technologies の製品であることがとても重要です。
FacebookのIT業界での影響力に支えらえ、Oculus Quest 2 のシステムは確実にアップデートされ、提供されるソフトは今後も増えていくでしょう。つまり、購入した後もこの機器の価値は上がっていくということです。
いよいよ購入
以上、今回購入するに際して理由になったポイントをご紹介しました。そして実際購入したのは、アマゾンからでした。
しかし、前機種と違って、Oculus Quest 2は販売網を拡大し、ビックカメラやコジマなどの家電量販店で購入することができます。また、価格はすでにお伝えした37,100円(税込)あたりで統一されていますので、どこで購入しても基本変わりません。(配達までかかる時間は違います)
発注は11月1日。その時は在庫がなかった関係で、配達までには2週間ぐらいかかると予告されましたが、実際は11月4日に配達されました。
前機種の場合は、生産が追い付かず、長く待たされたそうです。しかし、Oculus Quest 2 については、本格的な販売戦略のもと、生産も需要にこたえられる体制が十分にとられているのでしょう。
次回は実際、手に取って使ってみた実感レビューをお伝えします。■
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