【猛暑】が今年も到来~知っておきたい部屋の暑さ対策

【猛暑】が今年も到来~知っておきたい部屋の暑さ対策

今年も夏がやってきました。近年、35度という気温が大ニュースではなくなり、時には40度近くなることも珍しくありません。あなたも、「今年の暑さを乗り越えられるか心配だ」と不安になってはいませんか?そんな折、

特に懸念されるのが「熱中症」です。

屋外はもちろん、部屋の中にいてもかかってしまう「熱中症」ですが、だからと言ってエアコンをガンガンかけて電気代が高くなるのも心配です。そこで…

「部屋の中で、少しでも涼しく過ごす方法は?」

今回は、暑い夏、出来るだけエアコンは抑えつつ、快適に過ごす方法についてご紹介したいと思います。

部屋の暑さの原因は

気象庁は、4月第四水曜日~10月第四水曜日の期間、翌日または当日の最高気温が35度以上になると予想される場合、「高温注意情報」を出して「熱中症」への注意と同時に、不要な外出を避けるように呼びかけます。

しかし、35度以上にもなると、部屋の中にいても「熱中症」の危険性は高くなります。実は熱中症で救急搬送された場所は、自宅などの室内の場合がけして少なくないのです。その割合は、なんと…

全体の43.1%に及ぶのです。

(平成27年6月~9月、東京消防庁調べ)

その一番の原因と思われるのが、部屋での気温上昇に気づかないことです。

それではなぜ、部屋の気温が上がってしまうのでしょう。それには、大きく3つの原因があります。

  • 窓から入ってくる熱
  • 建材(コンクリートなど)から伝わる熱
  • 冷蔵庫など家電が発する熱

この中で室内の暑さの一番の原因になっているのが、窓から入ってくる熱です。

実に全体の約70%が、窓を通しての光や、窓自体から発せられる熱による

Re:Home調べ

そこでまず考えてみたいのは、

どうやって窓から入る熱を少なくするかです。

これを窓の外と内側で行える対策に分けてご紹介したいと思います。

窓外の暑さ対策:3選

①簾(すだれ):エコに日光を遮る

科学的に考えると、まず窓に熱を帯びさせないことが、もっとも効果的な方法になります。その考え方は、昔からありました。典型的なものが「簾(すだれ)」です。

竹や葦(あし)で編んだものを、軒先に垂らすように下げた様子は、日本の夏の風物詩でした。奈良時代から使われていたとも言われています。

そのエコな雰囲気と合わせて、価格もリーズナブル。

夏の暑さをしのぐアイテムとして、今こそ見直したいものです。筆者も以前、西日が強く差し込むアパートに住んでいた頃、簾を使って日光を遮っていました。光を和らげてくれると同時に、竹の間から木漏れ日も適度あるので、部屋の中が涼しく感じられたことを覚えています。

(注意点)⇒ 雨などで濡れたまま丸めておくと、腐ったり破損しやすくなります。夏が終わったら、汚れを落とし、しっかり乾かしてから保管するようにしましょう。

②サンシェード:リゾート気分も演出

「簾は古臭くて、ちょっと」と思われる方に最適なのが、「サンシェード(日除け)」です。ポリエチレンなどで作られた生地を、紐などを使って四方に張りって、窓に入る日差しを遮るものです。

避暑地感を盛り上げ、気持ちもリラックスさせてくれます。

サンシェードの中には、日差しを遮るだけなく、UV(紫外線)カット率が高いものあります。

(注意点)⇒ 意外と通気性があるので風通しがいいようですが、その分、防水性に乏しいのが弱点です。

また、取り付ける際に工具がいるなど、多少の手間もかかります。購入する前に、取り付け方法がどうなっているか確認してください。または、賃貸の場合は建物を加工することになるので、管理人への確認も必要になります。

③緑のカーテン:優しい木漏れ日が魅力

一戸建てにお住まいで、余力がある方には、ツタなどの植物を窓外に植える方法もあります。

多数の葉で、日光を優しく和らげてくれます。

窓外でそよ風に揺れる葉を眺めるのも乙なもの。日ごろから花壇や庭いじりを趣味にされている方は、その延長で取り入れるのはいかがでしょうか。

(注意点)⇒ 植物であるがゆえに、日ごろから多少の手入れが必要です。水をやったり、適当なサイズと幅と保つために剪定(せんてい)をしなければなりません。また、害虫などの対策のために薬品を使う場合は、エアコンの室外機を通して室内に薬が入ることもありますので、注意が必要です。

窓の内側の暑さ対策:3選

窓に照り付ける日光。窓は熱を帯び、部屋の空気を刻々と温めてしまいます。そこで、窓自体に施せる対策を3つ、ご紹介します。

①カーテン

窓から入る熱気を遮断する方法と言えば、まず浮かぶのが「カーテン」です。既にカーテンは取り付けてある場合が多いと思いますが、

素材にこだわれば、同じカーテンでも効果が変わってきます。

カーテンで窓を遮る際に困るのは、「熱を遮断すると同時に、日光も遮断して、部屋が暗くなってしまう」ということです。遮光率が高いカーテンを使用すると、昼間でも照明をつけることになってしまいます。

ただ、最近、程よく光を通しつつ、思いのほか遮熱できるレースカーテンも販売されています。さすがに遮光率は下がりますが、それでも20%ぐらいの遮熱効果がある優れものもあります。

②ブラインド

カーテンは手軽であるものの、日光の遮断する度合いをきめ細かくコントロールすることが難しいのが難点です。カーテンを開けている部分から、集中的に日光が差してしまいます。そこで選択肢として考えてほしいのが、「ブラインド」です。上下の開け閉めはもちろんのこと、

羽の開き具合いを微妙に調整できるところが長所です。

日光もしっかり跳ね返しますが、うっすらと日光を入れることも可能。また、窓の幅に合わせてカスタム発注できるので、窓周りをすっきりさせることもできます。

最近では、さらに表面に特殊コートを施したものも販売されており、赤外線の反射率をさらにアップできるようです。

(注意点)⇒ 羽に付いた埃の掃除です。カーテンのように選択が出来ないので、羽を一枚一枚なでるように埃を取らなかければなりません。

また、見た目がスッキリしているので、一見「事務所」のような雰囲気で、リラックスできない方もいるかもしれません。そんな方には、木製のブラインドを選ぶのも一案です。

③断熱フィルム

窓自体が熱を持たないようにする方法があります。窓に「断熱フィルム」を張る方法です。太陽光を反射して、なおかつ大幅にUVカットが出来ます。また、エアコンで冷えた空気も内側に反射するので、部屋の気温を保つことにもつながります。

窓ガラスフィルムほ販売する会社「スコープ」によると、日光の熱を電球の熱に置き換えて行った、断熱フィルムありとなしの窓ガラスへの3分間の遮熱実験では、上昇温度に約10度の温度差があったそうです。さらに、

夏だけはなく冬は室内の保温にも効果を発揮します。

(注意点)⇒ ガラスに気泡が出来な用に貼るのは素人には難しいので、施工会社に依頼する必要があります。

また機能重視の方法なだけに、仕事場ならば構いませんが、自宅だと情緒がありません。リラックスした雰囲気を作るために、他の方法と弁用させるのがいいでしょう。

お手軽な部屋の暑さ対策は?

この記事を読まれているあなた。「新たに何か購入するのは避けたい!」「とりあえず今できることはないの?」とも思われているかもしれません。そこで、手っ取り早く、部屋を過ごしやすくする方法を最後にご紹介します。

①室内の空気の通り良くする

暑い部屋というのは、往々にして閉め切っている場合が多いです。空気が充満すると、夜になっても熱がこもったままになっています。屋外から帰った時は、まず空気の通り道を作りましょう。

できれば窓やドアを開けっぱなしにして、空気がいくつかの部屋を通り抜けて、外へ出ていくようにするのが理想です。もし、あなたがマンションの上の階にお住まいならば、風が吹き抜け、熱を外へは運んでくれるでしょう。

これは西日が強くなる夕方が特に効果的です。なぜならば、日が当たる側と、日に陰っている側に温度差が生まれているため、風が流れやすくなるからです。

②扇風機を効果的に使う

窓やドアを開けっぱなしにしても、風が吹かず、空気が動かない時があります。そんなときは、「扇風機」を使うのが効果的です。

たとえエアコンを付けていても、冷たい空気は床の方に溜まり気味になります。省エネの理想温度という28度ぐらいだと、部屋の上半分は「エアコンを付けていても暑いんだけど」と思うことが多くないでしょうか?

エアコンから出る冷気の流れを部屋全体に巡回するように、扇風機を置いてみましょう。また、ドア口などに置いて、部屋から部屋に空気が流れるようにするのも一つの手です。

③打ち水をする

もしあなたが一軒家やベランダのあるマンションでお住まいでしたら、昔ながらの「打ち水」で幾分涼しくなるかもしれません。

熱を帯びている軒先の地面やマンションのベランダに水を撒いてみましょう。蒸発する水とともに部屋に侵入する熱を下げてくれます。また、日光の跳ね返りによって窓の温度が上がるのを防いでくれます。

以上、部屋の暑さ対策についてご紹介しました。ただ、熱中症を予防するには、部屋を涼しくすればいいというものでもありません。十分水分を取りつつ、エアコンで極端に部屋を冷やさないようにしてください。■

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