【自分の右腕】の育て方~参謀を持って業績アップを!

【自分の右腕】の育て方~参謀を持って業績アップを!

長年にわたりコツコツと仕事力を高めてきたあなた。いまでは、企業の役員に上りつめていたり、大企業の部長として数十人の部下を抱えていることでしょう。それでも、近年、ふとこんなことを考えていませんか。

「もう一人、自分がいたならな~」

自分の能力をいくら高めても、できる仕事には限界があります。その上、統括する部下の数が増えたり、部門が拡大したりすれば尚更ですね。そんな場合、持っていたら頼りになるのが、あなたを強力にサポートしてくれる才能ある部下

それが、「右腕」です。

しかし、あなたの高い要求に十分に対応できて、さらにあなたと同じ視野に立てる部下というのはなかなかいるものではありません。

そこで今回は、間違いのない右腕の見つけ方育て方について、できるだけ簡潔にご紹介したいと思います。

一刻もの早く信頼できる右腕を持って、会社をさらに拡大、または担当セクションの業績をアップさせましょう。

なぜ、あなたに右腕が必要なのか?

リーダーとしてのあなたに、なぜ「右腕」が必要なのか。まず、その役割と影響力の大きさについて考えてみましょう。

私たちが知っている歴代の英雄たち。その活躍の裏には、必ず「右腕」と言える人物の存在がありました。戦国時代ならば、大名に仕える「軍師」たちです。近年のNHK大河ドラマでは、名だたる戦国武将の「軍師」を主人公にすることが多くなりました。

  • 豊臣秀吉の黒田官兵衛(「軍師官兵衛」2014年放送)
  • 上杉景勝の直江兼続(「天地人」2009年放送 )
  • 武田信玄の山本官勘助(「風林火山」2007年放送 )
  • 織田信長の明智光秀(「麒麟がくる」2020年放送 )

直江兼続

参照:来年の大河ドラマ「麒麟がくる」の大予想

このように「軍師」にスポットライトが当たる理由はなぜか。それは、彼らが英雄の手足となって的確に行動し、時には英雄の危機を救う立役者となっていたからでしょう。

それでは、あなたにとって「軍師」がどうして必要なのか、具体的に考えてみましょう。

①多角的な業務を高いレベルで統率するため

大企業のトップであろうと、中小企業の経営者であろうと、すべてを完璧にできる人はまずいません。

それでも、リーダーの責務として、組織を成長させることが求められます。そして、長期にわたり組織を存続させなければいけません。そのためにあなたは、マーケティング戦略から人事査定に至るまで、仕事全般にわたって的確に判断し処理することが必要になります。

時には強引と思われる戦術、時には無慈悲とも思われるリストラ、そして会社を揺るがすような決断をしなければなりません。

そういう局面には、自分が不足していると思われる分野で高い専門性をもった人材を身近におく必要があります。

②別の視点で戦略を見る目

ビジネスに関する情報が多岐にわたる今日。戦略を立てたり、経営の大きな決断をするとき、画一的な視点だけで動くことは非常に危険です。

それでも、あなたには数々のケースを乗り越えた経験のあるため、往々にして自分のロジックだけで結論を導く傾向があるのではないでしょうか。しかし、それが組織を揺るがす大きな判断であればあるほど、一般の社員やスタッフに意見を求めるわけにもいかないでしょう。

そんな時に、客観的な考えに基づき、あなたに進言できる右腕が必要になります。信頼できる右腕の考えを参考に采配を振るえば、失敗のリスクは大きく軽減されます。

黒澤監督の映画「乱」で、戦国大名である主人公・景虎が、誤った決断をしようとしたとき、一番の家来・丹後が自分の命を投げ打って直言しているところがあります。上司を恐れもしない客観性を持った部下の貴重さを描いたシーンでした。

あなたの右腕の条件とは?

あなたの右腕にふさわしい人間とは、どのような資質の持ち主なのでしょうか。最低限の条件はいくつかあります。

もしあなたが既に右腕を部下に持っているならば、その人物があなたの右腕としてふさわしいのか。改めて確かめる材料にしてください。

まず、「安心して大きな権限を与えることができるか」ということです。

右腕の大切な仕事の一つは、あなたに代わって細かい判断を行うことです。その際、右腕がいちいちあなたのお伺いを立てていては、効率的な仕事をスピード感を持って行えないばかりか、単なる「伝令」でにしかなりません。つまり、

右腕となる人物は、物事の判断が一人で出来るための、洞察力、観察力、そして情報収集力が必要です。

また、同時にリーダーであるあなたに進言するタイミングを見極める能力も持っていなければいけないでしょう。つまり「適時」が分かる人物です。

もう一つ必要な条件は、組織の状況を把握する力です。

例えば平社員やスタッフは、リーダーであるあなたに本心は明かしません。それは、彼らの存続にかかわる行動だからです。「できないこと」を「できる」と言ってみたり、「できなかったこと」を隠そうとします。

そこで右腕の出番です。あなたの代わりに、一般の社員やスタッフの間に入り、組織の実像を把握し、あなたに伝えることが求めらえるのです。

もし組織が大きい場合には、右腕にも複数の右腕を持たせ、細部まであなたの血が通った組織にすることも重要になります。

最後に必要なのは、あなたの経営哲学を理解していることです。

なぜなら、組織が苦難に陥るとき、最後まで苦楽を共にしなければいけないので、一種の「同志」としての絆がなくてはいけません。

大きな条件を3つ上げましたが、他にもいくつかチェックポイントがあります。参考までに挙げておきます。

  • 人と金を動かした実績があるか
  • 自分で方針を立てて実行に移せるか
  • 社会に対する考え方に乖離はなりか
  • コミュニケーションに過不足はないか

将来の右腕は、あなたの近くにいる

もし、現在、あなたに右腕がいないとしたら、まず近くで探すことから始めてみましょう。

「右腕になるような人物は身近にいない」と早々に諦めていませんか。

ちょっと待ってください。本当の意味で右腕になりうる人物は、あなたに「右腕になります」とはめったに名乗りではしません。(言ってくる場合は、特別な企てがある場合が多いので、注意が必要です)

ですから日ごろの認識をリセットして、自分の部下やスタッフを冷静に観察してください。もしかしたら、同じ部屋で右腕となりえる人物が見つかるかもしれません。

まず、あなたと正反対の人を探してください。

あなたに必要なのは、むしろあなたと同じタイプの人物ではありません。あなたに欠けている部分を補強してくれる人物です。最低限の人間関係が築くことできるなら、まったく考え方の違う人物を選んだ方が、最終的に最良の判断を下せるかもしれないのです。

早急に右腕が必要な場合は、外部から招へいする選択肢もあります。

その場合は、現職の役名や肩書も大事ですが、それ以上に何をなしえてきたのかという実績に注目してください。(また、それ相応の経費が掛かることも覚悟が必要です)

また、もしあなたがベンチャー企業の経営者だとして、ナンバー2やパートナーを探しているとしたら、「人と金」を動かし、新事業を最初から軌道に乗せるまで経験したかが大きなチェックポイントとなります。そこでは、大企業と中小企業ということは問題になりません。

参考:部下から人望を集める方法は?

右腕候補がいないなら、育ててみる

もし、現在あなたが統括しているセクションや部門に右腕として登用する部下がおらず、また新たな人材を採用することが資金不足などの理由で場合はどうしたらいいでしょうか。

その場合は、右腕を育てることを考えてください。

即戦力にならなくとも、時間を掛けながら、あなたが注力して教えていけば、半年後、もしくは一年後には、あなたの参謀役を担えるかもしれません。

ただ、そうなるだけの資質は最低備えていなければいけません。その「資質」の最たるものをリストアップしてみましょう

①忍耐強く、意識が高い

近年は若年層を中心に、仕事に対する忍耐力が低下していることは周知の事実です。転職にも何の抵抗もない人も増えています。そうは言っても、右腕として教育するためにはそれなりのプレッシャーを掛けなければなりません。それゆえ忍耐強いことは、最初のファクターになります。そして、その原動力になるのが高い意識ということになります。

②行動力がある

これは意識が高いということとリンクしている資質です。意識が高くても、行動が伴わない場合もあります。言葉数は多いが、実際やらせてみると結果を出せないどころか、迷走してしまうこともあります。

③仕事に対してのビジョンがある

近い将来、あなたの右腕になる人物なら、仕事に対する自分なりのビジョンを持っていて欲しいものです。たとえそれが、非現実的であったり、夢想じみたものでも構いません。そういった思考を持っていることが重要なのです。ビジョンを現実的なものにしていく術は、あなたから学べばいいわけです。

④ビジネスセンスがある

ICTの進歩に伴って、この10年でビジネスシーンの高速化と合理化は加速度的に進みました。ということは、ビジネスマンにとって迅速な判断と行動が求められます。その際に必要なのは、もともと備わっているビジネスセンス、つまり商売人としての才能です。

右腕になりそうな人材を見つけたら、最初に「いずれは右腕になってもらう」という予告をしてから、育成を始めるのがいいでしょう。意識が高く、ビジョンを持てる部下ならば、あなたの依頼に意欲を見せるはずです。

その上で、部下の力量に合わせて、お金にしても、人員にしても、まず任せてみるのです。それを一通りこなせるようになったら、徐々に規模を大きくしていきます。

その際、部下がミスを犯したときが大きく育てる分岐点になります。ミスを犯した時こそ責めたり、降格させたりせず、ミスに至った原因と改善策を考えさせるようにしてください。

このようにリーダーとしての経験を積ませれば、あなたと同じ立場で物事を理解することが徐々にできるようになるでしょう。

右腕の下剋上に注意!

ここまで右腕を持つことのメリットと重要性をご紹介してきました。最後にひとつ注意することを示したいと思います。それは・・・

右腕は優れている人材であるだけに、「もろ刃の剣」であるということです。

歴史上の英雄と軍師の例として、織田信長と明智光秀を挙げました。明智光秀は、信長が勢力を拡大する過程で採用した人物です。その大きな理由は、光秀が自分の持っていない足利将軍家とのコネクションを持ち、さらには朝廷ともつながりがあったてめとも言われています。

さらに光秀は行政能力や交渉力にも優れ、その冷静は判断力は信長の「天下取り戦略」を進める上で大きな助けになりました。しかし、最終的にはどうなったかは、皆さんご存知ですね。

信長は天下統一完成を目前として、光秀の謀反により命を絶たれたのです。

現代のビジネスで部下に命を奪われることはないですが、会社や組織でのあなたの地位を奪われたり、他社や他の組織に引き抜かれて、結果的にあなたの足を引っ張る存在になる可能性はあります。そうならないためには・・・

右腕との信頼関係を保ちつつ、絶えず冷静な目で右腕の言動を見守ることを怠ってはいけないのです。

どうかあながの仕事をさらに向上、拡大させる、唯一無二の右腕に出会えることをお祈りします。■