2分で分かる【嫌な上司】との付き合い方~パワハラやセクハラへの対策

2分で分かる【嫌な上司】との付き合い方~パワハラやセクハラへの対策

「あなたの上司はどんな人でしょうか?」。

この質問を聞いた途端、暗い気持ちになったのではないでしょうか?

どんな仕事であれ、仕事の好き嫌いにかかわらず、あなたの上司がどういう人間かによって仕事に対する意欲は変わってきますよね。一方で仕事はあなたの人生を経済的にも社会的にも支える大切なモノ。だからこそ、

「上司が嫌い」という感情をやり過ごすことなく、ちゃんと向き合うことは大切です。

巷では嫌な上司の対処法を記した本は多くあります。でも、もしそんな本を読んでいる暇がないという人のために、今回はたった2分程度で「嫌な上司の対処法」の重要なポイントに絞ってをお伝えしようと思います。

嫌な上司との付き合い方~タイプで違う対処法とは?

対処法を具体的に考える前に、まず最初に試みて欲しいことがあります。それは、嫌いな上司とあなたの関係を客観的に見るということです。ただ、怒りや嫌悪の気持ちを持ったまま、状況の的確な判断はできません。

ですから、自分の状況を検証するときは、「他人事」と思えるほど、冷静な姿勢で臨んでください。

その上で、自分の状況を見ていきます。簡単に「嫌な上司」と言っても、様々なタイプがいます。その対処法は、そのタイプによって全く違います。もしタイプが違う対処法で対処したら、かえって関係がこじれてしまいますので、注意が必要です。

それでは、自分の上司を思い浮かべながら、タイプを選んでください。一つのタイプとして判断できな場合は、そうと思えるタイプで考えることになります。

そのタイプとは、下記の5つです。

  • 仕事を過剰に強いる上司
  • 理不尽に“えこひいき”する上司
  • 指示がコロコロ変わる上司
  • 性格がとにかく悪い上司
  • 手柄は奪い、責任は回避する上司

1.仕事を過剰に強いる上司

次から次へと仕事を言いつけてくる上司は時々いるものです。そのお陰でしたくもない残業が増えたり、時には昼食をろくに取れなかったりする。こういう上司を持つと、気分どころか、体調も崩してしまうので、放置しておくわけにはいきません。

この様なタイプは、能力が高い上司の場合が多い。そのために、自分に自信があるために、部下にも同じレベルの仕事を期待してしまうのです。到底部下は同じレベルの仕事を同じ時間でやり遂げることはできず、結果、過剰労働になってしまうのです。

こういった上司に対する大きな問題点は、あなたの能力を上司が正確に把握していないことです。ですから、それをまず上司に理解してもらうことが大切です。

あなたは、言いつけられた仕事を、黙ってそのまま持ち帰り、やみくもに仕事をしていませんか?

もしそうだとしたら、まずあなたが上司に対してすべきことは、仕事を言いつけられるときに、あなたがその仕事を完了するまでの「時間」と「レベル(精度)」をしっかりと上司に伝えることです。

それを言われたあなたの上司は、「そんなに時間が掛かるのか」と一旦は落胆しますが、すぐにそれを考慮して上で、新たに仕事を振ってくるようになるはずです。なぜなら、これも彼(彼女)の能力が高いとされる部分ですから。

これを日々続けて続けていくことによって、上司からの過剰は仕事は徐々になくなり、同時に上司のあなたに対する態度も落ち着いていくでしょう。

2.理不尽に“えこひいき”する上司

職場でも学校でも、自分の好みでえこひいきする上司や教師はいるものです。こういったタイプは、自分が部下たちの上位にいることを、えこひいきすることで自他ともに示そうとしていると言えますし、わがままな性格の人間と言えます。

こういう上司に対して、「えこひいきは止めてください」と正直に訴えても、えこひいきしていることを認めたくなため、逆効果になる可能性があります。えこひいきどころか、あなたを排除する動きに出て、あなたの意図しない部署へ配属させられるかもしれません。

そこで、対処法です。職場は子供に教育を授ける学校ではありません。生産性を高めることを株主に対して責任を負う会社です。あなたが、会社の利益に貢献すれば、おのずと評価せざるを得ないわけです。そこには、上司の私的な気持ちが通る部分ではないのです。

あなたの上司にも上司がおり、会社はそのパフォーマンスを冷徹に判断します。もし、あなたがどうみても優れた結果をだせば、上司もそれを認めざるを得ないでしょう。ですから、上司のえこひいきへの反感は棚に上げて、まず自分の得意分野を磨き、結果を出すことに邁進しましょう。

もしその結果をもってしても、査定に関することなどに上司の理不尽なえこひいきが続くようでしたら、躊躇なく上司の上司、または人事部に内々に相談する方がいいでしょう。

3.指示がコロコロ変わる上司

年配の上司に多いのがこのタイプです。きのう言っていた方針が、一日たつと180度変わってしまう。部下としては、たまったものではないです。その上、それを指摘して非難しようものなら、逆切れして怒鳴られたりします。困ったものです。

このタイプは、さら2つのタイプに分けることができます。それぞれ別の対処法になりますので、注意が必要です。

まず、前に言ったことを本当に「忘れてしまえる」タイプです。こういう上司は、「直観型」もしくは「感情型」とも言えます。つまり、仕事上の判断を、それまでの経緯に関係なく、その時の直観・感情で判断してしまうのです。

そこには自分の判断であろうと、過去が介在することはありません。また、あったとしても、それを簡単に抹殺する今の彼(彼女)がいるわけです。そこには、ある種、王様や独裁者にも排他性があります。

このタイプの上司に対して、「きのうと違います」とは言っても無駄です。それが「黒を白」と言う場合でも同じです。ですから、客観的に「しょうがないな又出た」と、常態化している“現象”として捉えることです。

また、言われたことが頻繁に変わるわけですから、上司の前では「心の準備」しておくことが大切になります。これは、ある種、富豪の執事的な姿勢ともいます。それが業務のひとつと認識するれば、心も楽になります。

もう一つのパターンが、相手によって意見がコロコロ変わる、「風見鶏型」です。別な言い方をすれば、「長いものには巻かれるタイプ」です。

この手の上司は、仕事の能力は高くありませんが多分に戦略に優れています。つまり出世力が強い人です。その場その場で自分の有利な立場を瞬時に把握して、それまでの方針をあっさり覆すことができるのです。

この上司には、あなたに対する悪意は全くありません。(邪魔をしないことが前提ですが)話が変わること自体は気に障るかもしれませんが、あえて「勉強させてもらう対象」として見てはどうでしょうか。もし、あなたも同じ会社で働き続けるとしたら、その技は役に立つはずです。

あなたの取る姿勢は、上司にできるだけ追随することです。自分の不満はとりあえず封印して、「そうでね。やはりその方が無難です」と同調するのです。そうすれば、上司も徐々にあなたを受け入れ、時には「会社で生きていくすべ」を指南してくれるかもしれません。

4.性格がとにかく悪い上司

言葉遣いが悪い。いつも怒鳴ってばかり。部下を無視する。差別的なふるまいをする上司。

正に、「歩くブラック企業」ともいえるのがこのタイプの上司です。昭和の時代にはこういった性格が破綻した上司がよくいたものです。何かというとキレる人たちです。(それを相手をやり込める武器にさえしています)

平成、そして令和になって、ずいぶんこういう「モンスター上司」は少なくなりましたが、まだ各所で根強く生存しているようなので、注意が必要です。

もし、誰とも構わず当たり散らしているようでしたら、あなたの同僚も同じ気持ちを共有していると思われます。それが見受けられた場合は、お互いに情報を交換して共闘体制を作りましょう

それぞれが受けた「被害」を記録して、ある程度時期を置いて一つにまとめます。「これは誰が見てもレッドカード」というレベルに達したら、上司の上司にあたる人に報告することになります。今は、パワハラやセクハラについて会社としてもコンプライアンスの観点から敏感になっていますから、十中八九、対応してくれるはずです。

ただその辺りは心得ている上司もいます。あからさまはハラスメントはせずとも、怒鳴るだけの人もいるでしょう。その場合は、言葉を真に受けないで、「この人は他でよっぽど悪いことがあったのだ」と、性格の破綻に冷たい視線をおくるのが一番かと思います。

5.手柄は奪い、責任は回避する上司

最後は、仕事を一生懸命する人にとって嫌な上司です。

こういう上司は一見、部下を信頼しているかのように、こまめに仕事を振ってくれます。ところが、仕事を見事完結して成果が上がり始めると、「あとは僕がやるから」と取り上げてしまうのです。

当然、会社的には上司の手柄になり、あなたの努力は水の泡です。成功の暁に開かれた報告会には呼ばれもしません。あとで、個人的に食事に誘われ、埋め合わせをしてくるならまだいい方です。

一方、任された仕事で成果が上がらなかったり、ましてや失敗した場合は、さらに辛い目にあります。あなたの上司は、まるであなたが率先してその仕事をやらしてくれと言ったかのように、周りには公言します。とうぜん、監督者としての責任は取らずに、あなたの査定が悪くするというとわけです。

こういう上司の場合は、どんなに仕事を任されようと、業務進行中も上司が関与していることを、公にしておくことが大切です。よほど極秘プロジェクトでない限り、一人抱え込んで秘密裏にする仕事ではありません。仕事の進行の節々で、上司に成果の途中報告、うまく行っていないときは相談するなど、周りを証人にするぐらいの気持ちで仕事を進めるといいでしょう。

そうすれば、仕事が成功裏に終わっても、失敗するにしても、同僚が認知しているわけですから、上司に手柄をすべて取られることもありません。また、失敗の責任もおのずと共有することになるでしょう。

原因はあなた自身かも?

ここまで、嫌な上司の対処法について話してきました。明日から嫌な上司に新たな気持ちで臨みますが、そのまえにひとつだけ考えてみてください。

嫌われる原因は、あなた自身にあるのではないですか?

「人こそ自分の鏡」ということわざがあります。「人は自分の姿を映す鏡である」という意味です。つまり、あなたに上司から嫌われている理由があるかもしれないといことです。

チェックする方法は簡単です。いままでご紹介してきた嫌われる上司のタイプが、あなたに当てはまらないか、胸に手を当てて考えるのです。もし、自分に当てはまることがあった場合は、上司のことを毛嫌いする前に、明日から自分を正すことが必要です。■

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